2014年11月28日

がんの知識|在宅での療養(1)


ご家族の負担を軽減する。

引き合いに出すのは軽率に思われるかも知れませんが、大震災などの天変地異が起こるたびに日本人の我慢強さが強調される事には違和感を覚えます。本当に援助を必要とされている被災者の皆さんの声を、感動的な美談ばかりを並べる事で、知らぬ間に封殺している気がしてなりません。

それぞれのご家庭に、それぞれの抱えるご事情がある筈なのです。

声を上げる事をためらうべきではありません。人に助けを求める事に羞恥心を感じるべきではないのです。恵まれた富裕層のご家庭であっても、がん患者さんの療養を支えるとなれば心の負担は計り知れません。ましてや経済的に厳しい状況下のご家族様であれば、在宅で看て行く事自体に無理があるのではないでしょうか。

がん相談支援センターを訪れるご家族様の中には、にわかには信じ難い在宅介護を強いられている方が大勢おられました。壮絶な痛みを伴う終末期の患者さんであれば尚の事です。介護されている方が口を揃えて言われていたのは、自分が背負うしかない、と言う四面楚歌のむごい現実ばかりでした。

ご家族だけで面倒を見る事が理想の姿では決してありません。

どんな制度やサポートも、それだけで全てが解決する筈もないのです。しかし、小さな物をひとつひとつ積み重ねて行けば、あなたやご家族様の負担が大きく軽減されるかも知れません。「どうせ…。」と「きっと…。」が違う様に、何とかならないだろうかと声を上げる事が大事なのです。あなたが悲嘆に暮れて打ちひしがれているだけでは、得るべき情報が向こうから勝手にやって来る事もありません。ただ闇雲に一人で抱え込む道をご家族の方に選択させないで下さい。
タグ:療養 在宅
posted by 風と空 at 21:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 療養 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月26日

がんの知識|病診連携


総合病院と診療所の役割分担です。

診療所とは、ベッドが20床に満たない医療施設を言います。お近くにある○○医院や○○クリニックですね。両者は今、持ちつ持たれつの関係にあるのです。

皆さんの地域でも思い当たるのではないでしょうか。

中小の総合病院の統廃合がどんどん進んで、少し離れた郊外などに大病院が出現している筈です。もちろん国の施策によるものですが、明らかにベッドの数が減少してしまいました。

それを補う為に始められたのが、地域連携クリティカルパスの制度です。前述のがん診療連携拠点病院(大型の総合病院)と地域の診療所などが共同でがん患者さんを診るのです。

がん患者さんの大きな特徴の一つに、非常に長い期間の治療が必要な事が挙げられます。私のいた総合病院のベッドも、常に2割以上ががん患者さんでした。

手術の後遺症やその後の治療の副作用が軽減された事も大きな要因です。今は手術の翌日からでも歩き回れる時代になりました。

地域の核となる総合病院は主に手術や特殊な治療のみを受け持って、それ以外の患者さんはとにかく在宅で療養させようとなった訳です。治療の為の通院先も、自宅に近い診療所と予め決められています。紹介する側にも、紹介される側にも、診療報酬などが上乗せされるメリットがありました。

こうしなければ成り立たない国の財政の問題があるのは確かです。

しかし、その場当たり的な施策のお陰で、終末期にある多くのがん患者さんが苦しんでおられるのも事実でした。在宅で看護しなければならないご家族様の負担も計り知れません。いえ、病院を追い出されるのはがん患者さんばかりではないのです。近年の悲惨な老老介護や、徘徊する痴呆老人の事故の多発も招いて来ました。

こんな制度になってしまっている事を、誰もが知らないままにがんを宣告されるのです。

タグ:連携 診療所
posted by 風と空 at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 療養 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月25日

がんの知識|サポートを受ける前に(2)


今のあなたが見えて来る。

特に医療者以外の、ピアサポーターや患者会の皆さんと接する事のメリットを確認しておきましょう。

◇ほかの患者さんや治療体験者の話を聞く事で、自分が抱えている問題にどう取り組めば良いか、その糸口が見つかるかも知れない。

◇つらい気持ちを口にして語り合う事で、重い孤独感から解放される。

◇これから先の自分がどうなるのか。心を整理してイメージする事ができる。

◇同じ悩みを一緒に考えて、お互いの知識や知恵を交換できる。

◇勉強会などに参加する事で、思いも寄らない情報を得られるかも知れない。

◇自分の体験が他の患者さんやご家族の役に立つと知って、失っていた社会人としての自信も取り戻す事が出来る。

患者会はもちろんですが、ピアサポーターによる相談会なども、かなりのリピーターがおられます。心の在りようも治療の副作用も刻々と変化するからなのでしょう。一つの問題にメドがついても、.また新たな悩みを抱えて相談にいらしていました。

患者会に参加される場合のマナーもご紹介しておきましょう。

◇再発(再燃)された患者さんや、終末期の患者さんがおられるかも知れません。ご自分のがんが初発で早期に発見されたものであっても、安易にそれを強調すべきではありません。

◇さまざまな理由によって、患者さん個々の経済事情が異なります。コンプレックスを与えるような言動も、見栄を張るような言動も好ましくはありません。

◇情報の古い物や曖昧な記憶の物など、無責任な内容の紹介は慎みましょう。見間違いや聞き間違い、錯覚や思い込みなどもあるので、ご自分が得た情報も慎重に吟味して直ぐには鵜呑みにしない方が賢明です。

◇患者さんの中には商売熱心な方もおられます。「いかがわしい健康食品の押し売り」に始まって、「霊感商法」や「マルチ商法」の勧誘を受けないとも限りません。中には前述の「奇跡の治療法」を勧める患者さんに出会うかもしれないのです。用心する気持ちを忘れないようにしましょう。
posted by 風と空 at 17:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 病院 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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