2014年11月24日

がんの知識|サポートを受ける前に(1)


少しだけ心構えが必要です。

がん相談支援センターであれ、ピアサポートであれ、患者会であれ、事前に過大な期待を抱くべきではありません。それぞれがあなたにとっての手助けとなる事は間違いありませんが、相手も人間である以上、お互いに何らかの違和感を持つ事もある筈なのです。

サポートする側の経験や能力によっても大きく左右されるでしょう。

私のいたがん相談支援センターでも明暗が分かれていました。相談員である看護師の知識や性格によるアドバイスの方向性です。片やは人情家で、患者さんやご家族様の心の問題に重きを置いておられました。もう方やは理論家で、医師もたじたじとなる位に豊富な知識を持っておられました。初めて相談支援センターを訪れる患者さんが、どちらの面談を受けるかは五分と五分です。

ご自身が求めておられるサポートによっても、運と不運が分かれるのではないでしょうか。

特にがんを宣告されたばかりで、どう受け止めるべきなのか、何をどんな風に考えれば良いのか、本当に自分はがんなのか、その辺りで迷路に迷い込んでいる患者さんには、ご自分が必要とされているサポートの内容さえ見当が付かないに違いありません。

感情の起伏も激しくなっている筈です。

淡々とお話をされる相談員やサポーターの方もおられるでしょう。ご一緒にハンカチを握りしめて泣いて下さる患者会の方もおられるでしょう。もしかしたら、生涯大切にして行きたいと思うような素敵な出会いが待っているかも知れません。

普段のあなたではないからこそ、その判断も左右に大きく振れて行く筈なのです。

過大な期待を抱いて意気消沈される事のないよう、できるなら心のより所や情報源は複数持っておく事が適切です。あなたをがっかりさせたがん相談支援センターも、他の病院になら頼りになる相談員がいるかも知れません。

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ラベル:心構え 期待
posted by 風と空 at 13:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 病院 | 更新情報をチェックする

2014年11月23日

がんの知識|奇跡の治療法


わらにもすがる気持ち。

がんに限らず、重い病気を抱える方は皆同じです。それが例えご家族であっても、ご本人の気持ちを100%理解する事は出来ません。

しかも、まるで勝手の違う医療の世界にいきなり投げ込まれて、それまで手にしていたわずかな自由も奪われてしまうのです。不安と孤独に襲われるのが当然の感覚でしょう。

特に社会的地位のある男性の患者さんが、最も厳しい孤独に陥ります。看護師の勧めなどでがん相談支援センターを訪れるのは、圧倒的に女性の患者さんの数が上回っていました。もちろん、乳房や子宮など、女性としての人生や尊厳に関わる問題は深刻です。それでもがんに対する初心者である事に、女性も男性も区別はありません。

ご自分で調べる事には限界があります。

インターネットや書籍に頼るのも一つの方法ではありますが、あまりに多くの異なった情報が氾濫しているのも事実です。全く逆の主張が、説得力のある言葉で書かれている事も珍しくはありません。

最も危ういのが「奇跡の治療法」の紹介ではないでしょうか。まことしやかな体験談が無数に語られていて、医師に見放された患者さんが見事にがんを克服したと結ばれています。わらにもすがりたい方々の強い関心を引くのは言うまでもありません。

もう一度申し上げますが、現代医学にはがんに対する決定打がないのです。

医師免許の他に保険医(都道府県に登録)の資格があるのをご存知ですか。健康保険証の使える医療機関で働く医師は必ず持っています。つまり、この資格がなければ、普通の病院で患者を診る事はできません。

医師の立場は本当に強く保証されています。

度重なる医療過誤で複数の患者さんを死なせていても、医師免許をはく奪される事は極めてまれなのです。しかし、この保険医の資格を取り消されてしまった医師は少なくはありません。
どう言う事か。

病院を追い出された彼らがどうするかを考えてみて下さい。もちろん、医師を続けるなら自分で開業する以外はありません。しかし、あなたは通うでしょうか。健康保険証の使えないクリニックとなるのです。どんな治療でも全額を自己負担しなければなりません。普通の病院であれば変りのない標準治療を、わざわざそこで受ける理由が見当たらない筈です。

私が保険医の資格を取り消された医師ならこう考えます。
「全額個人負担でも、どんどん患者が来るような奇跡の治療法があると宣伝すればいい!」

あくまで一つの見方でしかありません。でも、自らの人生をずば抜けた才覚で駆け抜けていらしたような皆さんが、身近で確かな平易な情報を見過ごして、ご自分にふさわしい奇跡の復活を望んでおられるのも不幸な現実なのです。
posted by 風と空 at 20:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 病院 | 更新情報をチェックする

2014年11月22日

がんの知識|医師と看護師(2)


人生の途中から医師を目指す看護師がいます。

医療の世界において、医師は絶対的な存在でした。「医師とその他大勢」、そう言い換えても過言ではありません。どんなにスキルとキャリアを積み上げても、看護師は医者未満の存在である事を克服する事ができないのです。

聞くにたえない陰口

医師に対してだけではありません。気に入らない患者さんに対しても同じでした。自分たちが「医療者」の一員であると言うプライドと、しょせんは医師に従う以外ないと言うコンプレックスのはざまで堂々巡りを繰り返しているからです。

さまざまな資格を取得している師長(旧:婦長)と呼ばれる看護師さんに多く見られる傾向でした。

もちろん、どんな世界にも不平や不満、対立や確執は存在しているでしょう。看護師だけが異常な訳ではありません。

しかし、そこが命の現場である事を忘れて欲しくはないのです。

明らかに常軌を逸した治療を続ける医師がいました。自らの治療方針に執着して、手術で声と視力を失った若いがん患者の奥様に日々罵声を浴びせていたのです。彼女がその医師の治療に疑いを抱き始めたからでした。

誰にも止められません。

皆も彼女の言い分が正しい事を知っていました。看護師も、薬剤師も、がん相談支援センターの相談員も、泣き崩れるばかりの奥様を前に打つ手が何もなかったのです。

無力感と陰口だけが渦巻いていました。

私には全く理解できません。人の命が、人生がかかっている問題ではないのでしょうか。何の為の資格なのか。何のためのプライドなのか。余命いくばくもない終末期のがん患者さんは、悲しみの淵に沈む奥様の姿をどんな思いで受け止めておられたのでしょう。

理想と現実と言う安易な言葉で断じて良い話ではありません。

何も知らない事がどれほど残酷で恐ろしいのか。せめてもそれを目の当たりにした人間として、真実をお伝えせずにはいられませんでした。どうか、このブログをきっかけに、あなたご自身をどう守れば良いのか理解を深めて行って下さい。

願わくば、医療に携わる方たち全員が、絶対的立場である医師の、はるかに高い場所に「患者さんの命」がある事に一日も早く気付いてくれればと思います。
ラベル:看護師 プライド
posted by 風と空 at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 病院 | 更新情報をチェックする
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