2015年01月27日

がんの知識|がんを知る(1)


がんはインベーダー(侵略者)ではありません

私たちの体は生まれた時から成長を続け、やがては成人となり、それぞれが長い時間を掛けて老いて行きます。元々は小さな受精卵だったものが、次々に細胞分裂を重ね、生命の維持に必要な体の各器官を形成して人間となるのです。

しかし、殆ど同じに思える私たち成人の体は、常に同一の細胞が支えているわけではありません。例えば石鹸で手を洗えば、汚れが落ちると共に表面の細胞も傷付けられ、次第に多くが劣化して剥がれて行ってしまうのです。もちろん新たな細胞がどんどん生み出されていますから、死滅した細胞や衰えた細胞の補充には何ら問題がありません。各器官に分化した細胞の中に書かれている情報が、それらを絶妙にコントロールしてくれているのです。

この見事な仕組みの情報は、私たちの細胞の「遺伝子(DNA)」が持っています。

がんはその遺伝子の情報に変化が起きる事によって、細胞の一部が凶悪化するのだと分かって来ました。そう、がんはウイルスのように外部から侵入するインベーダーではないのです。言わば身内の中の裏切り者、細胞の反逆者であると言う事をご理解しておいて下さい。しかも、がんは正常な細胞から分裂した体の一部である事にも変りがありません。つまりは、あなた自身の細胞の仲間でもあるがゆえに、がんだけを攻撃するのが非常に難しく、現代医学においてもまだ決定的な治療法が確立されていないのです。

誰もが一度は耳にした事のある抗がん剤は、戦争中にドイツが作った毒ガスの技術を応用しています。

遺伝子の制御が効かなくなって異常に増殖するがんの勢いを止める為に使われて来ました。当然の事ながら「がんの細胞分裂だけ」を叩く事は困難で、全身の正常な細胞の働きまでも大きく阻害してしまいます。髪の毛が抜け落ちたり、免疫力が極端に低下するのもこのためなのです。

がんは、あなたの体の一部です。手術で全てを切除するには、早期の発見以外にはありません。血液やリンパの流れに乗って全身に広がれば、もはやどんな名医にも打つ手がなくなってしまいます。現在のがん治療とは、「転移を防ぐ事に全力をそそぐ治療」だと言っても過言ではないでしょう。
posted by 風と空 at 19:08| Comment(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする

2015年01月24日

がんの知識|あなたの命

いかがでしたか。 これまでに40記事ほど書いて来ましたが、あなたの「想い」に少しは寄り添えているのでしょうか。 時間の許す限り、これからも書き続けていくつもりですので、あなたの明日のわずかな一助になれば幸いです。

この後は、いよいよ「がん」その物について掲載致します。医療関係者ではないので、専門的には表現できませんが、知る事でより良い判断ができると信じてお付き合い下さい。

でも今日は少し違う角度のお話をしてみたいと思います。

あなたは今おいくつですか。男性ですか、それとも女性ですか。がんの部位はどこですか。初発ですか、再発ですか。私は何もあなたの事を知りません。

どんな事で悩み、苦しみ、悲しまれているのか。どんな風にがんと向き合っておられるのか。本当はお聞きしてみたい事ばかりです。一方的に書き綴る事に、一抹の無情を感じざるを得ません。

恐らくは同じように、皆さんも「どこの誰だか分からない人物」のブログを読み続ける事に、何らかの想いを抱いているに違いないと思います。だから少しだけお時間を頂いて、せめても私の事をお伝えしようと考えました。

私はこの2月で54歳になります。足かけ30年に渡って医療とは無縁の「ホテル業界」で生きて来ました。

しかし、心から愛してやまなかったその仕事の継続を、今から3年ほど前に、諦めるしかない状況に追い込まれてしまったのです。

網膜色素変性症と言う難病をご存知ですか。極端に視野が狭くなり、中心部分もパズルが抜け落ちる様に映像が欠けて行く、最後には完全に見えなくなる不治の病です。そう診断されたのは20年も前の事でした。

現在は妻の介助と白杖がなければ外出もままなりません。ある介護のハンドブックには「死の次につらい出来事」として失明が上げられていました。私自身も、自らの悲運を嘆き、泣き叫び、のたうち回って今日まで生きて来た患者の一人なのです。

信頼していた仕事仲間からも見捨てられ、「死」が頭をよぎった事もありました。もう自分の力では家族を守れないのだと、いずれは自分自身がお荷物になるのだと、どんどん自らを貶めて行ったのです。自分の心の弱さを思い知らされながら、圧倒的な絶望と恐怖から逃れる事が出来ませんでした。

でも…。

小さな奇跡が、どん底の中で起こり始めていたのです。

それは障害者として生きる事を受け入れる覚悟を決めた時からでした。自分の過去の何もかもを封印し、ただ前だけを見て生きて行こうと弱い心に誓ったのです。

最初の一歩は障害者手帳の取得でした。公的な助成の手続きも一つずつ進めて行ったのです。焦らず、腐らず、諦めずに、新しい自分が生きて行くための術を、文字通り薄氷を踏む思いで積み上げて行ったのです。

今は在宅での仕事に取り組んでいます。ほんのわずかではありますが、明日への希望も持つ事が出来ました。障害者として実に堂々と積極的に生きておられる、素晴らしい方たちにも巡り合う事が出来ました。

もう何があっても「死」を望む事はないでしょう。

あなたにもきっと乗り越える事が出来ます。せっかくの命を、どうせならとことんまで自分らしく生きてみようじゃありませんか。私と共に、このブログと共に、あなたの命を再び光り輝かせてみせて下さい。いつか必ず、今日の自分を笑顔で語れる日が訪れてくれます。

最後までお読み頂き有難うございました。

こんなブログも書いています
「ホテルマンのためのUG対策」
posted by 風と空 at 10:04| Comment(0) | プロフィール | 更新情報をチェックする

2015年01月21日

がんの知識|費用(9)


利用できる制度「身体障害者手帳」

日常生活に大きな支障をきたす障害を負った場合に、地方自治体が発行する手帳です。これは障害者年金とは無縁のもので、比較的容易(医師の診断書は必須)に資格を取得する事が出来ます。1~6級に分かれていて、それにより助成等の内容も異なりますが、この級に関しても障害年金のものとは連動していません。(保健所で手続きを行う難病に対する助成制度とも違います。)

不正受給を狙うほんの一部の悪質な者たちの為に、多くの不自由な障害者が、実に面倒な手続きをその度ごとに求められています。

しかし、この「障害者手帳」を取得する事によって、様々な優遇措置を得られる場合があるのも事実なのです。健康保険適応の自己負担額や毎年の自動車税が免除されたり、所得税、NHKの受信料、高速道路料金なども軽減されます。又、同伴者と共に公共交通機関を利用すれば、その同伴者の乗車賃が免除されたりもします。

それ以外にも、各市町村で対象品目や限度額に違いはありますが、障害者である為に必要となった補助的物品を、1割負担か全額免除で購入する事ができます。

例えばがんで手術を受けた場合に、人工肛門や人工膀胱(ぼうこう)の補装具、咽頭部の切除による会話補助装置、介護用ベッドなどの貸与も助成の対象です。

利用できる制度「高額介護・高額介護予防サービス費」

介護保険を利用する際も、毎月の自己負担額(1割)に上限が設けられています。多く支払った分は後日に払い戻されます。これは自発的に申告する制度ではなくて、適応対象者となった時点で各市町村から通知が来ます。但し、それに基づいた申請を行わなければなりません。通常は2か月後に超過分が払い戻されます。一度手続きを行えば自動継続されます。

以上が公的な助成制度の内容となります。現在も国会で異論されているように、今後は自己負担金額が増えて行くかも知れません。それでも、あなたが利用できる制度を知らずにいるよりは、熟知している方が手助けとなるでしょう。

これ以外にも、私の知らない制度があったり、うっかり忘れている各種の保険や保証がないかも確認しておきたいものです。
posted by 風と空 at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 療養 | 更新情報をチェックする
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