2015年02月22日

がんの知識|がんを知る(5)


●MRI(磁気共鳴撮影)

磁場を利用して体の内部を撮影します。磁場とは磁石や電流の周りに存在する力の及ぶ範囲の事で、N極S極のある棒磁石の上に白い紙を置いて、砂鉄を巻いて出来た模様を見た記憶があるのではないでしょうか。CTとは違い被ばくの心配が無い為に、何度も繰り返して行う検査や、妊婦や小さなお子さんの検査にも安心です。但し、心臓にペースメーカーを埋め込んでいる患者さんなどは、.予め医師に申し出て相談しなけれなりません。

強い磁場を発生させる為に、検査中はかなり大きな音が鳴ります。勿論、それ自体は人体に影響を及ぼすものではありませんが、寝台に乗ったまま狭い筒状の空間に20分以上も閉じ込められるので、鳴り続ける音も含めてかなりのストレスを感じる事は間違いありません。

こちらも造影剤を使用する場合がありますので、アレルギーのある方は申し出ておいて下さい。

MRIも断面映像を撮影する事に変りはありませんが、CTとは違って様々な角度からの撮影が可能なのです。

骨の断面や脊髄、骨盤の中など、CTでは撮影が難しい部分も調べる事が可能です。但し、肺の内側などの撮影には不向きなようです。

●PET(陽電子放出撮影)

「ペット」と呼ばれています。CTやMRIが体の中の「形」を撮影するのに対し、PETは体の中の「動き」を陽電子(ポジトロン)を利用して撮影します。腫瘍の組織の糖の代謝を調べる事で、がんの診断に使われて来ました。こちらも微量の被ばくがあります。

がん細胞に吸収されやすい薬(FDG)に弱い放射性物質を付着させ、薬剤を取り込んだがんの広がりや活動の様子を調べます。

FDGはブドウ糖に似ている為にがん細胞が吸収するのですが、必ずしも悪性の腫瘍細胞だけが吸収するとは限らず、他の検査と組み合わせる事で精度を高めています。FDGを注射後に寝台に乗って、やはり筒状の機械に入ります。放射能は時間の経過と共に弱まり、尿からも放出されますので、人体への影響もそれほど心配はありません。

posted by 風と空 at 09:03| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

がんの知識|がんを知る(4)


検査と診断

がんは、その部位によって検査の方法が異なります。いくつかの方法による組合せの検査で、あなたのがんの状態を明らかにし、その後の治療の方針を決めて行きます。

●腫瘍マーカー(血液検査)

がんが進行すると増える血液中の物質(因子)を、抗体を使って検出する方法です。しかし、特定の因子の増える原因が必ずしもがんであるとは限らない為、腫瘍マーカーの変動だけで診断する事はありません。あくまで複数の検査の裏付けの一つと理解しておいて下さい。比較的に前立腺がんの場合は精度が高いとされています。また検査による身体への影響が少ない事から、再発などの早期発見の手段としては多用されています。

●エコーによる超音波検査

エコー(echo)とは正に「こだま」「反響」を意味します。体の中に超音波を放って、臓器などに当たってはね返って来る「音」を「映像」に変換したものです。健康診断や人間ドックなどで、わき腹辺りにゼリーを塗られた経験があるのではないでしょうか。胎児の画像を見るのにも広く使われて来ました。機器の名はプローブと言います。

●レントゲン検査(X線検査とも)

X線と言う電磁波(放射線)を使って、その通り易さの違いから体の中の様子を見ます。発見者であるドイツのヴィルヘルム・レントゲン氏の名からレントゲン線やレントゲン写真とも呼ばれます。
放射線と聞くと「被ばく」が問題になりますが、下記の目安の様にかなり微弱なものです。

胸部のレントゲン撮影 0.05mSV(マイクロシーベルト)
胃のバリウム検査   2.0mSV
頭部のCT検査    0.5~1.5mSV
胸部のCT検査    7.0mSV

一般的に人体に影響を及ぼすとされているのが200.0mSVからです。又、私たちが自然界から知らずに被ばくしている量が、年間平均で2.4mSVだとも言われています。勿論、少ない量ではあっても、様々な放射線検査を立て続けに受ければ不安な気持ちになる事は否めません。その際は担当医に申し出て、適切な管理がなされている事を確認しておきましょう。

●CT(コンピューターによる断層撮影)

これもX線(放射線)を使用します。大きな機械の筒の中を、専用の寝台に乗って通過します。意外に撮影に時間を要しますので、閉所恐怖症の自覚がある場合や精神障害をお持ちの場合は事前に申し出て担当医にご相談下さい。
又、撮影する部位をより鮮明にするために、「造影剤」を注射して行う場合が多々あります。特にアレルギー反応を起こした経験のある方や、アトピー体質等でその不安が拭えない方も事前に申し出ておく必要があるでしょう。

どの検査でも同じことが癒えますが、何が何でも受けなければならない訳ではありません。その検査によってどんなメリットがあるのか。しっかりと説明を聞いて、十分に納得した上で受けて頂きたいと思います。

posted by 風と空 at 10:43| Comment(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

がんの知識|がんを知る(3)


●ホルモン療法(内分泌療法)

実際のところホルモンの働き自体が全て解明されている訳ではありません。主に生命を維持する為に必要な情報伝達の役割を担っていると言われて来ました。生成される場所や種類も実に様々で、ごくごく微量な物が、必要に応じて血管などから運ばれて行きます。各器官の機能の調節や細胞の形成などにも大きく影響しているそうです。

乳がんや子宮がんの場合、女性ホルモンがその増殖に深く関わっています。前立腺がんの場合は男性ホルモンが影響を与えています。

ホルモン療法とは、ホルモンを分泌する器官を切除したり、その働きを抑える薬(皮下注射や飲み薬)を用いてがんの増殖を抑える治療です。

例えば乳がんのホルモン療法などでは、女性ホルモンが減少する為に生理が止まり、のぼせなどの更年期障害に似た副作用が起こります。術後、数年に渡って投与される事が殆どですが、抗がん剤に比べれば体に及ぼす負担は遥かに軽いと言えるでしょう。

※投薬が終われば直ぐに生理も戻って妊娠も可能です。しかし、人生設計の面からも担当医からさらに詳しい情報を得て、ご家族様とも十分に話し合っておいて下さい。

●分子標的治療

主に「抗体」を利用する治療法です。抗体とは血液や体液の中に存在する糖タンパク質の分子で、外敵(ウイルスや細菌)などを捕えるガードマンの働きをしてくれています。侵入した特定のタンパク質(抗原)を見付けると、自ら結合し、まずは外敵の動きを封じます。後から駆け付けた白血球やマクロファージがその複合体を食べて消滅させるのです。これらが「免疫」と呼ばれる仕組みですね。

がんを抗原とする抗体(分子標的薬)を投与する治療法を分子標的治療と言います。又、がんによって傷付けられた遺伝子から作られた「異常ながんの性質の原因となるタンパク質」だけを攻撃する物質を使用する事もあります。

抗がん剤である事に変りはありませんが、がん細胞だけを狙い撃ちにする事から、正常な細胞がダメージを受ける事は少ないとされて来ました。しかし、これも症例が増えるに従って、最近では皮膚への深刻な副作用なども明らかとなっているようです。

つい先日も有名な大手の医薬品メーカーが、抗がん剤の副作用のデータを隠ぺいしていたとして告発されました。がんに対する決定的な治療法がない中で、これらも過大な期待の出来る治療法ではないのかも知れません。
posted by 風と空 at 10:38| Comment(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする
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