2015年03月29日

がんの知識|がんの手術の知識(2)


手術当日(朝から食事も水分も取れません)

「病室での患者さんの準備」

手術着以外は何も身に着けていない状態にします。

時計、眼鏡、コンタクトレンズ、アクセサリーはもちろん、入れ歯も外しておきます。手術室へ移動する前に、下着も脱いでおいて下さい。

●弾性ストッキングを履く

がんの手術は長時間(10時間以上)に及ぶことがあります、全く動かない状態で水分の補給もない為、血の流れが悪くなり、血栓(血が固まって詰まること)ができるリスク(肺塞栓、心筋梗塞、脳梗塞など)が高まります。これを防ぐ為に使われているのが、特殊な編み方をした弾性ストッキングなのです。下肢全体を強く圧迫して、静脈から血液を心臓に押し戻してくれます。自然、全身の血の流れがスムーズになって、恐い合併症を予防できると言う訳です。

●排便

消化器系の手術を受ける場合は、下剤や浣腸で排便を促して空の状態にしておきます。

●点滴

手術の前、手術中、手術後も、体を整えるための点滴を受けます。

●リストバンド

本人確認のためのリストバンドを着けます。

●鎮静剤

通常はストレッチャーや車椅子で手術室まで移動しますが、歩いて行く事もあります。予め鎮静剤などの注射を受けて、少しぼんやりとした状態で向かう事もあります。

「手術室に入った後」

●手術前準備

患者さんは手術台に寝かされます。本人への名前の確認が最初でしょう。心臓や呼吸の状態を確認する為の器具が取り付けられ、大きな布に覆われて手術する部分の消毒がなされます。

●麻酔

麻酔ガスや点滴、あるいは硬膜外麻酔と言って、背中に管を入れて行う場合があります。重要なのは、患者さんご自身がリラックスし、呼吸を整えて行く事です。余分な麻酔の投与は受けたくありません。又、硬膜外麻酔を行った管は、術後に痛み止めの薬剤の投与などにも使われます。

●手術

手術は大きく分けて2つの事を行います。まず、がんの切除と周囲のリンパ節の切除です。その後に行われるのが再建です。これは切除して失われた部位の外観や機能を補う為の手術です。人工的な器具を埋め込んで代用、あるいは補助をして行く場合もあります。最後に創(きず)口を縫合します。手術室を出る頃には、次第に麻酔から覚めて来る筈です。

●ドレーン

手術は体を傷付ける事です。当然、出血を伴って、大量のリンパ液が一斉に補修しようと傷口に集まります。これらの余分なものを、体の外に排出しなければなりません。体に付けたドレーンと呼ばれる管から、外部にぶらさげたビニール袋に流して行きます。手術後、一定期間を経て外されます。

posted by 風と空 at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | がんの手術 | 更新情報をチェックする

2015年03月21日

がんの知識|がんの手術の知識(1)


入院の流れ

医療機関や医師の方針、患者さんの病期や体力によって差異はありますが、手術の予約をした際に医師や看護師などから説明を受け、1~2日前に入院となります。大抵はその後に担当医が病室を訪れ、さらに踏み込んだ手術の流れを話してくれる自筈です。患者さんの不安感を軽減するのも、彼らの大事な務めと言えるでしょう。

●入院中の注意事項の説明

予め看護師が下記の様な点について説明をしてくれます。

・食事の時間、消灯の時間、面会時間
・病院内の施設や病室内(ベッドや周辺)の設備(ナースコール、TVの視聴など)
・手術後の体の動かし方(乳がんなどの場合、今は翌日から歩行を求められます)
・複式呼吸の仕方や痰(たん)の出し方
・うがいや排泄の方法

がんの部位によっては、この他にも術後に様々な困難と直面する事があります。ご本人が冷静に説明を理解して行くのが一番難しいかも知れません。しかし、注意事項を怠ったが為に合併症を引き起こす事もありますので、出来る限り忠実に指示通り行って下さい。

●麻酔に関する説明

多くの場合、まずは麻酔医による問診を受けます。その際に患者さんに投与される麻酔の種類や効果についての説明が行われるでしょう。医療ミスによる事故も多発していますので、これらの説明は、ご家族の方も同席して受けておくべきと考えます。

●入浴

手術後は暫く入浴が出来ません。またメスを入れる部分を清潔にしておく必要もあります。手術の前夜には必ず入浴を済ませておきましょう。

●剃毛と除毛

医師のスキルや方針にもよりますが、手術する部位に近い場所の体毛を、専用のクリームなどを用いながら部分的あるいは全体的に、予め剃毛や除毛を行います。主に腹部や陰部、腋(わき)などですが、感染症を防ぐ事が目的です。

●食事制限

手術する部位によって、前日からの食事を制限される場合があります。持病のお薬の服用が必要な患者さんは、予め担当医と相談しておいて下さい。又、消化器系を空の状態にする為に、前日に下剤を飲まされる事があります。
ラベル:入院 説明
posted by 風と空 at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | がんの手術 | 更新情報をチェックする

2015年03月14日

がんの知識|がんの病期(2)

●がんは5つの段階に分けられている(病期=ステージ)

がんは、さまざまな検査を経てから「どの部位か」「どれくらいの大きさか」「どこまで広がっているか」を元に、それが「どんながん」で「人体にどのような影響を及ぼして行くのか」を、採取したがん細胞の病理検査で行う病理診断に、一定の指標を加えて「病期」を決定して行きます。

がんを分類する場合の代表的なものが、TNM分類(国際対がん連合)が使用されています。

T因子:がんの大きさ

N因子:転移(周りのリンパ)はあるか

M因子;他の臓器への転移はあるか

上記を総合的に判断して大きく、0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期,Ⅳ期、の5段階に分けています。0期は非常に早期の小さながんで、Ⅳはかなり進行した末期の状態となります。

これらはあくまで基本なので、がんの種類や遺伝子の特性、腫瘍マーカーによる分類、それに患者さんの状態などから更に細かく分類がなされて行きます。

●病期に対する標準的な治療

患者さんの病期が決まれば、治療の方法について選択しなければなりません。しかし、医療の世界は日進月歩であり、最近は訴訟のリスクも増えて来ました。日々の外来患者の診察や手術などで多忙な医師たちが、あらゆる最新の情報を自力で入手して、現段階でのベストな治療を独自に選ぶ事は非常に困難なのです。

そこで利用されているのが、専門家らの作成した「診療ガイドライン」と呼ばれる手引書です。特定のがんの状態や一般的な患者さんの症状に合わせて、最も適切な治療が即座に判断出来るよう系統的にまとめてあります。

世界、あるいは国内で推奨されている治療を、「スローチャート」や「アルゴリズム」などを用いて分かり易く解説しています。但し、法的な拘束力は一切ありません。
※フローチャート:「はい」「いいえ」で回答に辿り着く流れの手引き
※アルゴリズム:コンピュータのプログラムのように、回答を得る為の計算式、又は手順の定義されたもの。

先にも述べた通り、このガイドライン(標準治療)に従う事で、医師たちの負担とリスクが大幅に軽減されています。その一方で、個別の患者さんに合わせた臨機応変な治療が殆ど行われていないのも厳然たる事実なのです。

posted by 風と空 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。