2015年03月14日

がんの知識|がんの病期(2)

●がんは5つの段階に分けられている(病期=ステージ)

がんは、さまざまな検査を経てから「どの部位か」「どれくらいの大きさか」「どこまで広がっているか」を元に、それが「どんながん」で「人体にどのような影響を及ぼして行くのか」を、採取したがん細胞の病理検査で行う病理診断に、一定の指標を加えて「病期」を決定して行きます。

がんを分類する場合の代表的なものが、TNM分類(国際対がん連合)が使用されています。

T因子:がんの大きさ

N因子:転移(周りのリンパ)はあるか

M因子;他の臓器への転移はあるか

上記を総合的に判断して大きく、0期、Ⅰ期、Ⅱ期、Ⅲ期,Ⅳ期、の5段階に分けています。0期は非常に早期の小さながんで、Ⅳはかなり進行した末期の状態となります。

これらはあくまで基本なので、がんの種類や遺伝子の特性、腫瘍マーカーによる分類、それに患者さんの状態などから更に細かく分類がなされて行きます。

●病期に対する標準的な治療

患者さんの病期が決まれば、治療の方法について選択しなければなりません。しかし、医療の世界は日進月歩であり、最近は訴訟のリスクも増えて来ました。日々の外来患者の診察や手術などで多忙な医師たちが、あらゆる最新の情報を自力で入手して、現段階でのベストな治療を独自に選ぶ事は非常に困難なのです。

そこで利用されているのが、専門家らの作成した「診療ガイドライン」と呼ばれる手引書です。特定のがんの状態や一般的な患者さんの症状に合わせて、最も適切な治療が即座に判断出来るよう系統的にまとめてあります。

世界、あるいは国内で推奨されている治療を、「スローチャート」や「アルゴリズム」などを用いて分かり易く解説しています。但し、法的な拘束力は一切ありません。
※フローチャート:「はい」「いいえ」で回答に辿り着く流れの手引き
※アルゴリズム:コンピュータのプログラムのように、回答を得る為の計算式、又は手順の定義されたもの。

先にも述べた通り、このガイドライン(標準治療)に従う事で、医師たちの負担とリスクが大幅に軽減されています。その一方で、個別の患者さんに合わせた臨機応変な治療が殆ど行われていないのも厳然たる事実なのです。

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2015年03月01日

がんの知識|がんを知る(6)

●内視鏡検査

あえて申し上げるまでもない事ですが、人間の体は口から肛門までが長い一本の道でつながっています。その周りに様々な臓器があって、食べ物の消化や吸収を助け、取り込んだ栄養分を血管で全身の細胞へと送り込んでいるのです。

内視鏡検査は超小型(CCD)カメラと光源の付いた細長い管(グラスファイバー)をその中に入れて、のど、食道、胃、十二指腸、大腸、気管、膀胱などを直接観察する方法です。又、生検のために病変の一部を切り取ったり、ポリープの切除手術を行ったりもします。

大腸などは肛門から挿入し、上部の消化器管には口や鼻(極細の物)から挿入します。もちろん、鼻孔には予め麻酔の噴霧が施され、口中にも同様に麻酔を呑み込むので安心して下さい。

但し、いずれの場合も当日の食事は厳禁で、最低限の水分補給以外は「お茶」や「喫煙」も控えて下さい。前日も夕食は5時ごろに済ませ、9時以降は何も口にしないように求められるでしょう。ただ、他の病気等で常用している薬がある患者さんは、事前に医師に申し出て指示を得ておかなければなりません。

これらはつまり、観察する消化器の中から「便」を排除する目的で、大腸の検査においては下剤を飲んで更に排泄を促されたりします。主治医によっては、病院での検査前に2ℓの水を飲むよう求められる事もあります。

診察はベッドに寝た状態で行われますが、胃や大腸の緊張を緩める薬を注射される場合もあります。時間の目安としては口から挿入されたのであれば、5~15分ですが、肛門からの場合は数十分を要すると心得ておいて下さい。

●病理検査と病理診断

がんが強く疑われる細胞を採取して、病理医が細かな検査を行います。消化器系のように内視鏡で組織の一部を切除したり、乳房には細い管を突き刺して取り出します。子宮や膀胱などは、へら状の器具で表面の粘液を削いで集めます。又、たんや尿から細胞を採取する場合もあります。(細胞検査)

がんであるか否かだけでなく、それがどんな性質(顔つき)のがんであるかも詳しく調べます。(組織検査)

手術の最中に「がん」である事を確定する為に行われる検査を、術中迅速病理診断と呼んでいます。
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2015年02月14日

がんの知識|がんを知る(4)


検査と診断

がんは、その部位によって検査の方法が異なります。いくつかの方法による組合せの検査で、あなたのがんの状態を明らかにし、その後の治療の方針を決めて行きます。

●腫瘍マーカー(血液検査)

がんが進行すると増える血液中の物質(因子)を、抗体を使って検出する方法です。しかし、特定の因子の増える原因が必ずしもがんであるとは限らない為、腫瘍マーカーの変動だけで診断する事はありません。あくまで複数の検査の裏付けの一つと理解しておいて下さい。比較的に前立腺がんの場合は精度が高いとされています。また検査による身体への影響が少ない事から、再発などの早期発見の手段としては多用されています。

●エコーによる超音波検査

エコー(echo)とは正に「こだま」「反響」を意味します。体の中に超音波を放って、臓器などに当たってはね返って来る「音」を「映像」に変換したものです。健康診断や人間ドックなどで、わき腹辺りにゼリーを塗られた経験があるのではないでしょうか。胎児の画像を見るのにも広く使われて来ました。機器の名はプローブと言います。

●レントゲン検査(X線検査とも)

X線と言う電磁波(放射線)を使って、その通り易さの違いから体の中の様子を見ます。発見者であるドイツのヴィルヘルム・レントゲン氏の名からレントゲン線やレントゲン写真とも呼ばれます。
放射線と聞くと「被ばく」が問題になりますが、下記の目安の様にかなり微弱なものです。

胸部のレントゲン撮影 0.05mSV(マイクロシーベルト)
胃のバリウム検査   2.0mSV
頭部のCT検査    0.5~1.5mSV
胸部のCT検査    7.0mSV

一般的に人体に影響を及ぼすとされているのが200.0mSVからです。又、私たちが自然界から知らずに被ばくしている量が、年間平均で2.4mSVだとも言われています。勿論、少ない量ではあっても、様々な放射線検査を立て続けに受ければ不安な気持ちになる事は否めません。その際は担当医に申し出て、適切な管理がなされている事を確認しておきましょう。

●CT(コンピューターによる断層撮影)

これもX線(放射線)を使用します。大きな機械の筒の中を、専用の寝台に乗って通過します。意外に撮影に時間を要しますので、閉所恐怖症の自覚がある場合や精神障害をお持ちの場合は事前に申し出て担当医にご相談下さい。
又、撮影する部位をより鮮明にするために、「造影剤」を注射して行う場合が多々あります。特にアレルギー反応を起こした経験のある方や、アトピー体質等でその不安が拭えない方も事前に申し出ておく必要があるでしょう。

どの検査でも同じことが癒えますが、何が何でも受けなければならない訳ではありません。その検査によってどんなメリットがあるのか。しっかりと説明を聞いて、十分に納得した上で受けて頂きたいと思います。

posted by 風と空 at 10:43| Comment(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする
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