2015年02月07日

がんの知識|がんを知る(3)


●ホルモン療法(内分泌療法)

実際のところホルモンの働き自体が全て解明されている訳ではありません。主に生命を維持する為に必要な情報伝達の役割を担っていると言われて来ました。生成される場所や種類も実に様々で、ごくごく微量な物が、必要に応じて血管などから運ばれて行きます。各器官の機能の調節や細胞の形成などにも大きく影響しているそうです。

乳がんや子宮がんの場合、女性ホルモンがその増殖に深く関わっています。前立腺がんの場合は男性ホルモンが影響を与えています。

ホルモン療法とは、ホルモンを分泌する器官を切除したり、その働きを抑える薬(皮下注射や飲み薬)を用いてがんの増殖を抑える治療です。

例えば乳がんのホルモン療法などでは、女性ホルモンが減少する為に生理が止まり、のぼせなどの更年期障害に似た副作用が起こります。術後、数年に渡って投与される事が殆どですが、抗がん剤に比べれば体に及ぼす負担は遥かに軽いと言えるでしょう。

※投薬が終われば直ぐに生理も戻って妊娠も可能です。しかし、人生設計の面からも担当医からさらに詳しい情報を得て、ご家族様とも十分に話し合っておいて下さい。

●分子標的治療

主に「抗体」を利用する治療法です。抗体とは血液や体液の中に存在する糖タンパク質の分子で、外敵(ウイルスや細菌)などを捕えるガードマンの働きをしてくれています。侵入した特定のタンパク質(抗原)を見付けると、自ら結合し、まずは外敵の動きを封じます。後から駆け付けた白血球やマクロファージがその複合体を食べて消滅させるのです。これらが「免疫」と呼ばれる仕組みですね。

がんを抗原とする抗体(分子標的薬)を投与する治療法を分子標的治療と言います。又、がんによって傷付けられた遺伝子から作られた「異常ながんの性質の原因となるタンパク質」だけを攻撃する物質を使用する事もあります。

抗がん剤である事に変りはありませんが、がん細胞だけを狙い撃ちにする事から、正常な細胞がダメージを受ける事は少ないとされて来ました。しかし、これも症例が増えるに従って、最近では皮膚への深刻な副作用なども明らかとなっているようです。

つい先日も有名な大手の医薬品メーカーが、抗がん剤の副作用のデータを隠ぺいしていたとして告発されました。がんに対する決定的な治療法がない中で、これらも過大な期待の出来る治療法ではないのかも知れません。
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2015年01月27日

がんの知識|がんを知る(1)


がんはインベーダー(侵略者)ではありません

私たちの体は生まれた時から成長を続け、やがては成人となり、それぞれが長い時間を掛けて老いて行きます。元々は小さな受精卵だったものが、次々に細胞分裂を重ね、生命の維持に必要な体の各器官を形成して人間となるのです。

しかし、殆ど同じに思える私たち成人の体は、常に同一の細胞が支えているわけではありません。例えば石鹸で手を洗えば、汚れが落ちると共に表面の細胞も傷付けられ、次第に多くが劣化して剥がれて行ってしまうのです。もちろん新たな細胞がどんどん生み出されていますから、死滅した細胞や衰えた細胞の補充には何ら問題がありません。各器官に分化した細胞の中に書かれている情報が、それらを絶妙にコントロールしてくれているのです。

この見事な仕組みの情報は、私たちの細胞の「遺伝子(DNA)」が持っています。

がんはその遺伝子の情報に変化が起きる事によって、細胞の一部が凶悪化するのだと分かって来ました。そう、がんはウイルスのように外部から侵入するインベーダーではないのです。言わば身内の中の裏切り者、細胞の反逆者であると言う事をご理解しておいて下さい。しかも、がんは正常な細胞から分裂した体の一部である事にも変りがありません。つまりは、あなた自身の細胞の仲間でもあるがゆえに、がんだけを攻撃するのが非常に難しく、現代医学においてもまだ決定的な治療法が確立されていないのです。

誰もが一度は耳にした事のある抗がん剤は、戦争中にドイツが作った毒ガスの技術を応用しています。

遺伝子の制御が効かなくなって異常に増殖するがんの勢いを止める為に使われて来ました。当然の事ながら「がんの細胞分裂だけ」を叩く事は困難で、全身の正常な細胞の働きまでも大きく阻害してしまいます。髪の毛が抜け落ちたり、免疫力が極端に低下するのもこのためなのです。

がんは、あなたの体の一部です。手術で全てを切除するには、早期の発見以外にはありません。血液やリンパの流れに乗って全身に広がれば、もはやどんな名医にも打つ手がなくなってしまいます。現在のがん治療とは、「転移を防ぐ事に全力をそそぐ治療」だと言っても過言ではないでしょう。
posted by 風と空 at 19:08| Comment(0) | がんを知る | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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