2015年05月02日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(3)


余りに公平性を欠いていると言うご指摘も聞こえて来そうなので、ほんの少し医療者の側に立ったお話もしてみます。

外来を抱える医師は本当に多忙でした。患者さんと直接関わる仕事以外にも、非常にたくさんの細々とした雑務を抱えているのです。朝早くから夜遅くまで、実に献身的に働く医師も大勢みえました。患者さん一人一人の心に寄り添う「ヒマ」など、彼らには到底ありません。懇切丁寧に、質問された事以外まで詳しくお話しする余裕は全くないのでした。

冷たいのではなくて、時間に追われているのです。だから、あれやこれやと取り留めのない質問をして、無駄な時間を掛けさせる患者さんに、如実に嫌な顔を向けてしまうのでした。

患者さんの側にも、一定の節度とマナーは必要でしょう。あなたの担当医が、他の患者さんに掛けるべき時間を闇雲に奪ってしまってはいけません。今まで述べて来た「何でも遠慮なく担当医に質問する」事と、あなたの不安な気持ちに延々と付き合わさせる事は全く違うのです。だからこそ、このブログで質問したい内容を整理して、例えそれが聞きにくい内容であったとしても「的確に」医師が答えやすい様に治療の方針を問い質して欲しいと願います。

それでは化学療法の副作用について、もう少し詳しく解説しましょう。

●アレルギー

アトピーやぜん息、花粉症をお持ちの方に限った話ではありません。初めて投与される薬剤との相性の問題でもあるのです。急な発疹が表れたり、ひどいかゆみの起こる場合があるかも知れません。不整脈や血圧の低下、最悪の場合には呼吸困難に陥る事もあるのです。なるべく早い段階で、軽い症状の場合でも必ず担当医に申し出て下さい。

●免疫低下

私たちの血液は骨の中にある「骨髄」と言う組織で造られています。抗がん剤の標的となる、活発に細胞分裂を繰り返す場所でもありました。この骨髄の機能が低下すると、「栄養を運ぶ赤血球」「免疫の為の白血球」「傷口を塞ぐ血小板」などが減少して行きます。中でも好中球が減る事で、細菌や真菌(かび)への抵抗力が極端に失われてしまうのでした。(骨髄抑制)

外部の水や空気、食べ物に触れる部分を中心に感染の可能性が高まります。肌はもちろん、口から腸に掛けての消化器系、肺や尿路に至るまで、全身が危険にさらされていると理解して下さい。

突然に風邪の症状が表れたり、痰や咳が出る、尿が濁るなどしたら要注意です。又、肌に腫れが出来たり、急に発熱したりも大変に危険です。化学療法の開始後10日前後が一つの目安ですで、自覚症状があれば直ぐ担当医に申し出ましょう。

看護師の説明する注意事項に耳を傾けて、うがいや手洗い、マスクの着用、生ものは避ける、柔かい歯ブラシを使う、など規則正しい生活で体力を温存しておいて下さい。


      


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2015年04月25日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(2)


それでは、もう少し詳しく解説しましょう。

使われる薬は、「がんの種類や広がり」「初発か再発か」「病期」「年齢と体力」それに「治療中の他の病気」「既往症」などによって違って来ます。さなざまな過去のデータや標準治療に照らし合わせて決められるのでした。これも繰り返しになりますが、五大がん(胃がん・肺がん・大腸がん・肝臓がん・乳がん)など、圧倒的に患者数の多いがんは医師たちも沢山の症例を診て来ている事になります。手術の技量はさておいて、治療の選択肢はおおむね妥当なものとなるでしょう。しかし、がん患者そのものが少ないがん種の場合には、全く逆の状態にあると言えます。余程の覚悟をもって、医師と向かい合わなければなりません。

もしも担当医の勧める治療方針に疑念を抱く様なら、迷わずセカンドオピニオン(既述)を申し出て下さい。それでも納得が行かなければ、再度の診察や検査に余計な費用は掛かりますが、上位にある別の病院や国立がんセンターなどの扉を改めて叩いてみるべきです。

●主な薬剤

「アルキル化剤」がん細胞のDNAを破壊します。
「代謝拮抗剤」がん細胞の増殖を抑えます。
「抗がん性厚生物資」がんのDNAの合成を抑え、がん細胞膜を破壊します。
「微小管作用薬」がん細胞が分裂する際に運搬レールの役割を果たす微小管の合成を抑えます。
「白金製材」がん細胞のDNAと結合することで細胞分裂を抑えます。
「トポイソメラーゼ阻害剤」がん細胞のDNAを合成する酵素の働きを抑えます。

上記の薬剤では、あえて「がん細胞の…」と付けましたが、残念ながら薬剤自体に「がん細胞を見分ける能力」はありません。では、どうやって作用しているのか。それは、がん細胞の大きな特徴でもある「活発に分裂を繰り返している細胞を攻撃する」事でした。この為に「皮膚や毛根」「口腔や胃の粘膜」」「腸管や骨髄」など、日頃から活発に細胞分裂を繰り返している部位に副作用が起こるのです。その他

主な副作用としては、手足のしびれ、倦怠感、食欲不振、下痢、吐き気、脱毛、口内炎、などの自覚症状や、心臓、腎臓、肝臓、骨髄への影響など、検査によって診断される症状があります。そのほかにも血液が減って免疫機能が低下するなど、感染症に罹(かか)りやすくもなってしまいます。

副作用の症状が現れるか否かは、使われる薬剤の組合せや量によっても異なります。又、数日で現れる場合もあれば、1ヶ月以上経過した後に現れる場合もあります。男性では生殖器に障害が残ったり、女性では将来的な妊娠に影響が及ぶ場合がありますので、担当医から薬剤の詳しい説明を得る事は必須であると考えて下さい。

医師たちは「がんの治療」の事しか考えていません。あなたの人生や家族の事など、彼らにとっては治療と無関係な項目なのです。本当にその薬剤の組合せ以外にはないのか。自らの人生を護れるのは、あなた以外には病院内に存在してはいません。どうか、遠慮なく担当医に質問してみて下さい。出来れば、目の前でメモを取るか、ボイスレコーダーで録音する位の姿勢が望ましいでしょう。


posted by 風と空 at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤 | 更新情報をチェックする

2015年04月18日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(1)

抗がん剤とは何か。一言で言えば「がん細胞の殺し屋」です。がんの種類や特性に合わせたさまざまな種類の薬が使われています。患者さんの体力や病期にもよりますが、効果の違う複数の抗がん剤を組み合わせての集学的治療を受ける事が多いでしょう。

抗がん剤には大きく分けて、化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する化学療法(ケモ)と、がん細胞の分子だけが持つ特徴を標的にした薬を使う分子標的治療とがあります。

飲み薬の他に点滴を行う事があります。

●抗がん剤のメリットとデメリット

がんの本当の恐ろしさは、一重に「転移すること」にあると言えるのではないでしょうか。その生命力は凄まじく、異常な速さで増殖を繰り返すばかりではなくて、自ら新たな血管まで張り巡らし、周囲の栄養をどんどん摂り込んで肥大化して行くのです。

そればかりではありません。発症した部位に収まり切らなくなったがんは、臓器や骨肉から滲み出し、リンパや血液の流れに乗って全身へと勢力を拡大して行くのでした。これこそががんの転移の正体です。否、自ら侵略を行うだけではありませんした。にわかには信じ難い事ですが、まさかにがんの手術の際にも転移は起こってしまうのです。

一体、どう言う事なのか。

医師の技量によるところが大です。つまり「取り切れずに残ってしまったがん細胞」や「切除の際に周囲へこぼれ落ちてしまったがん細胞」が、創口から血液やリンパへと流れ込んで、そのまま全身に広がって行くのでした。再発の原因ともなる、知られざる深刻な問題なのです。

抗がん剤は、こうした二次的なリスクを軽減する為にも使われて来ました。

しかし、何と言っても悪名高いのはその副作用です。かなりの個人差がありますが、それなりの覚悟と体力がなければ治療を受けられません。

以前にもお書きしたように、がんは細菌やウイルスの如きインベーダーではないのです。ある時までは共に仲良く暮らしていたあなた自身の身内の細胞でした。がんの殺し屋である抗がん剤の強い効き目は、殆ど見境いなく健全な細胞まで攻撃してしまうのでした。

免疫力の低下は想像以上で、極端に言えば、風邪を引いただけでも命の危険に晒されるのです。生ものの摂取は論外で、一度封を切った食品は食べきらなければいけません。.雑菌だらけの歯ブラシの使用も注意が必要なのでした。できる限り外出は避けて、消毒されていない物には極力触れない様に心がけましょう。特に医療者からは、治療中にバナナを口にしないよう注意を受ける筈です。真偽のほどは分かりませんが、バナナの皮は雑菌を防ぐ力が弱いとの事でした。

女性にとっては、髪が抜け落ちてしまう事が心の負担となります。抗がん剤の治療さえ終われば元通りに生えて来ますので、それまでは帽子やウイッグなどでしのいで頂くしかありません。ただ、中には悪質な業者も存在していますので、粗悪なウイッグを高額で買わされる事のないように用心して頂きたいと思います。

※公共性の強い医療機関の盲点は、パンフレット等を置かせる業者を逆に限定出来ない事でした。余程のトラブルが連続して起きない限り、彼らを患者の前から排除する事が出来ません。「病院にあるパンフレットだから安心」と、大きな誤解をされない様にして下さい。

大変にカルシウムも不足してしまいます。食べ切りタイプのヨーグルトなど、特に含有量の多い製品を選んで摂取しましょう。入院前に、予めチェックしておく事をおすすめします。

posted by 風と空 at 10:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤 | 更新情報をチェックする
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