2015年05月09日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(4)

●悪心(おしん:吐き気のこと)や嘔吐(おうと:はくこと)

薬剤が脳の神経を刺激して起こると考えられています。症状には大幅な個人差があります。強い吐き気を感じたら担当医に伝えましょう。又、嘔吐した場合、あなたの体力も心配です。食欲がないなど、栄養の経口摂取が難しい場合も、必ず主治医に相談して下さい。その他にも、精神的な不安が同じ症状となって現れる場合があります。充分な睡眠が取れない。涙が止まらない。胸が苦しい。など、心の負担を感じたら担当医に申し出て、精神科医の治療か臨床心理士のカウンセリングを受けてみて下さい。

これも繰り返しになりますが、心の強い弱いの問題ではありません。むしろ、人生において背負うべき物が多い立場の方ほど、心に受けるダメージや不安も大きいのではないでしょうか。ほんの少しの治療やカウンセリングで劇的に改善される場合もありますので、積極的に堂々と利用しましょう。まず、あなた自身の中にある「精神療法への偏見」を取り去るべきだと考えます。

※制吐剤と言う吐き気用の薬があります。又、食欲がない時は、院内の管理栄養士が相談に応じてくれます。少ない量でも栄養価の高い食事や、あなたが普段食べやすいと感じている献立(麺類など)を参考にアドバイスし、可能な限りで病院食の変更も指示してくれます。

●便秘や下痢

便秘も下痢も腸内環境の悪化と言う意味では同じ症状であると言えます。薬剤の影響で腸の粘膜が減少したり、排便のための水分が不足(便秘)したり、過剰(下痢)になったりして起こるのでした。どちらの場合も水分の補給は欠かせません。めまいやふらつきなども脱水症状の一つであると考えて下さい。尿の量が少ないのも危険の目安です。

もちろん症状によって担当医から下剤や止瀉薬(ししゃやく:下痢止め)が処方されるでしょう。ただ慢性的に便秘や下痢を抱えている場合などは、入院前から緩和しておくことが望まれます。現在は生きたまま腸まで届く「胞子性乳酸菌」が有効であるとされています。胃酸で解かされない殻(胞子)で善玉菌が被われているからでした。通販などでもヨーグルト入りの物が入手可能です。

●口内炎(口腔粘膜炎)

これも薬剤が粘膜を減少させるために起こります。一番に注意が必要なのは、抗がん剤治療を受ける前に、虫歯や歯ぐき(歯周病)の治療を終えておく事です。特に歯周病はプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌や細菌の排泄物の塊が原因です。以前は歯槽膿漏(しそうのうろう)と言われていました。大変に恐い病気ですので、完治しておくことが最善です。又、常にうがいを心掛けて、口の中の雑菌を増やさない事も有効です。歯ぐきを傷付けて出血し、血液への細菌の侵入を許す事のないよう、歯ブラシは刺激の少ない柔らかいものを使用して下さい。

お口は「細菌の入口」です。しっかりガードして行きましょう。

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2015年05月02日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(3)


余りに公平性を欠いていると言うご指摘も聞こえて来そうなので、ほんの少し医療者の側に立ったお話もしてみます。

外来を抱える医師は本当に多忙でした。患者さんと直接関わる仕事以外にも、非常にたくさんの細々とした雑務を抱えているのです。朝早くから夜遅くまで、実に献身的に働く医師も大勢みえました。患者さん一人一人の心に寄り添う「ヒマ」など、彼らには到底ありません。懇切丁寧に、質問された事以外まで詳しくお話しする余裕は全くないのでした。

冷たいのではなくて、時間に追われているのです。だから、あれやこれやと取り留めのない質問をして、無駄な時間を掛けさせる患者さんに、如実に嫌な顔を向けてしまうのでした。

患者さんの側にも、一定の節度とマナーは必要でしょう。あなたの担当医が、他の患者さんに掛けるべき時間を闇雲に奪ってしまってはいけません。今まで述べて来た「何でも遠慮なく担当医に質問する」事と、あなたの不安な気持ちに延々と付き合わさせる事は全く違うのです。だからこそ、このブログで質問したい内容を整理して、例えそれが聞きにくい内容であったとしても「的確に」医師が答えやすい様に治療の方針を問い質して欲しいと願います。

それでは化学療法の副作用について、もう少し詳しく解説しましょう。

●アレルギー

アトピーやぜん息、花粉症をお持ちの方に限った話ではありません。初めて投与される薬剤との相性の問題でもあるのです。急な発疹が表れたり、ひどいかゆみの起こる場合があるかも知れません。不整脈や血圧の低下、最悪の場合には呼吸困難に陥る事もあるのです。なるべく早い段階で、軽い症状の場合でも必ず担当医に申し出て下さい。

●免疫低下

私たちの血液は骨の中にある「骨髄」と言う組織で造られています。抗がん剤の標的となる、活発に細胞分裂を繰り返す場所でもありました。この骨髄の機能が低下すると、「栄養を運ぶ赤血球」「免疫の為の白血球」「傷口を塞ぐ血小板」などが減少して行きます。中でも好中球が減る事で、細菌や真菌(かび)への抵抗力が極端に失われてしまうのでした。(骨髄抑制)

外部の水や空気、食べ物に触れる部分を中心に感染の可能性が高まります。肌はもちろん、口から腸に掛けての消化器系、肺や尿路に至るまで、全身が危険にさらされていると理解して下さい。

突然に風邪の症状が表れたり、痰や咳が出る、尿が濁るなどしたら要注意です。又、肌に腫れが出来たり、急に発熱したりも大変に危険です。化学療法の開始後10日前後が一つの目安ですで、自覚症状があれば直ぐ担当医に申し出ましょう。

看護師の説明する注意事項に耳を傾けて、うがいや手洗い、マスクの着用、生ものは避ける、柔かい歯ブラシを使う、など規則正しい生活で体力を温存しておいて下さい。


      


癌治療学会で発表!全分子フコイダンエキスの効果
posted by 風と空 at 10:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤 | 更新情報をチェックする

2015年04月25日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(2)


それでは、もう少し詳しく解説しましょう。

使われる薬は、「がんの種類や広がり」「初発か再発か」「病期」「年齢と体力」それに「治療中の他の病気」「既往症」などによって違って来ます。さなざまな過去のデータや標準治療に照らし合わせて決められるのでした。これも繰り返しになりますが、五大がん(胃がん・肺がん・大腸がん・肝臓がん・乳がん)など、圧倒的に患者数の多いがんは医師たちも沢山の症例を診て来ている事になります。手術の技量はさておいて、治療の選択肢はおおむね妥当なものとなるでしょう。しかし、がん患者そのものが少ないがん種の場合には、全く逆の状態にあると言えます。余程の覚悟をもって、医師と向かい合わなければなりません。

もしも担当医の勧める治療方針に疑念を抱く様なら、迷わずセカンドオピニオン(既述)を申し出て下さい。それでも納得が行かなければ、再度の診察や検査に余計な費用は掛かりますが、上位にある別の病院や国立がんセンターなどの扉を改めて叩いてみるべきです。

●主な薬剤

「アルキル化剤」がん細胞のDNAを破壊します。
「代謝拮抗剤」がん細胞の増殖を抑えます。
「抗がん性厚生物資」がんのDNAの合成を抑え、がん細胞膜を破壊します。
「微小管作用薬」がん細胞が分裂する際に運搬レールの役割を果たす微小管の合成を抑えます。
「白金製材」がん細胞のDNAと結合することで細胞分裂を抑えます。
「トポイソメラーゼ阻害剤」がん細胞のDNAを合成する酵素の働きを抑えます。

上記の薬剤では、あえて「がん細胞の…」と付けましたが、残念ながら薬剤自体に「がん細胞を見分ける能力」はありません。では、どうやって作用しているのか。それは、がん細胞の大きな特徴でもある「活発に分裂を繰り返している細胞を攻撃する」事でした。この為に「皮膚や毛根」「口腔や胃の粘膜」」「腸管や骨髄」など、日頃から活発に細胞分裂を繰り返している部位に副作用が起こるのです。その他

主な副作用としては、手足のしびれ、倦怠感、食欲不振、下痢、吐き気、脱毛、口内炎、などの自覚症状や、心臓、腎臓、肝臓、骨髄への影響など、検査によって診断される症状があります。そのほかにも血液が減って免疫機能が低下するなど、感染症に罹(かか)りやすくもなってしまいます。

副作用の症状が現れるか否かは、使われる薬剤の組合せや量によっても異なります。又、数日で現れる場合もあれば、1ヶ月以上経過した後に現れる場合もあります。男性では生殖器に障害が残ったり、女性では将来的な妊娠に影響が及ぶ場合がありますので、担当医から薬剤の詳しい説明を得る事は必須であると考えて下さい。

医師たちは「がんの治療」の事しか考えていません。あなたの人生や家族の事など、彼らにとっては治療と無関係な項目なのです。本当にその薬剤の組合せ以外にはないのか。自らの人生を護れるのは、あなた以外には病院内に存在してはいません。どうか、遠慮なく担当医に質問してみて下さい。出来れば、目の前でメモを取るか、ボイスレコーダーで録音する位の姿勢が望ましいでしょう。


posted by 風と空 at 08:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 抗がん剤 | 更新情報をチェックする
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