2015年04月18日

がんの知識|抗がん剤(薬物療法)の知識(1)

抗がん剤とは何か。一言で言えば「がん細胞の殺し屋」です。がんの種類や特性に合わせたさまざまな種類の薬が使われています。患者さんの体力や病期にもよりますが、効果の違う複数の抗がん剤を組み合わせての集学的治療を受ける事が多いでしょう。

抗がん剤には大きく分けて、化学物質によってがんの増殖を抑え、がん細胞を破壊する化学療法(ケモ)と、がん細胞の分子だけが持つ特徴を標的にした薬を使う分子標的治療とがあります。

飲み薬の他に点滴を行う事があります。

●抗がん剤のメリットとデメリット

がんの本当の恐ろしさは、一重に「転移すること」にあると言えるのではないでしょうか。その生命力は凄まじく、異常な速さで増殖を繰り返すばかりではなくて、自ら新たな血管まで張り巡らし、周囲の栄養をどんどん摂り込んで肥大化して行くのです。

そればかりではありません。発症した部位に収まり切らなくなったがんは、臓器や骨肉から滲み出し、リンパや血液の流れに乗って全身へと勢力を拡大して行くのでした。これこそががんの転移の正体です。否、自ら侵略を行うだけではありませんした。にわかには信じ難い事ですが、まさかにがんの手術の際にも転移は起こってしまうのです。

一体、どう言う事なのか。

医師の技量によるところが大です。つまり「取り切れずに残ってしまったがん細胞」や「切除の際に周囲へこぼれ落ちてしまったがん細胞」が、創口から血液やリンパへと流れ込んで、そのまま全身に広がって行くのでした。再発の原因ともなる、知られざる深刻な問題なのです。

抗がん剤は、こうした二次的なリスクを軽減する為にも使われて来ました。

しかし、何と言っても悪名高いのはその副作用です。かなりの個人差がありますが、それなりの覚悟と体力がなければ治療を受けられません。

以前にもお書きしたように、がんは細菌やウイルスの如きインベーダーではないのです。ある時までは共に仲良く暮らしていたあなた自身の身内の細胞でした。がんの殺し屋である抗がん剤の強い効き目は、殆ど見境いなく健全な細胞まで攻撃してしまうのでした。

免疫力の低下は想像以上で、極端に言えば、風邪を引いただけでも命の危険に晒されるのです。生ものの摂取は論外で、一度封を切った食品は食べきらなければいけません。.雑菌だらけの歯ブラシの使用も注意が必要なのでした。できる限り外出は避けて、消毒されていない物には極力触れない様に心がけましょう。特に医療者からは、治療中にバナナを口にしないよう注意を受ける筈です。真偽のほどは分かりませんが、バナナの皮は雑菌を防ぐ力が弱いとの事でした。

女性にとっては、髪が抜け落ちてしまう事が心の負担となります。抗がん剤の治療さえ終われば元通りに生えて来ますので、それまでは帽子やウイッグなどでしのいで頂くしかありません。ただ、中には悪質な業者も存在していますので、粗悪なウイッグを高額で買わされる事のないように用心して頂きたいと思います。

※公共性の強い医療機関の盲点は、パンフレット等を置かせる業者を逆に限定出来ない事でした。余程のトラブルが連続して起きない限り、彼らを患者の前から排除する事が出来ません。「病院にあるパンフレットだから安心」と、大きな誤解をされない様にして下さい。

大変にカルシウムも不足してしまいます。食べ切りタイプのヨーグルトなど、特に含有量の多い製品を選んで摂取しましょう。入院前に、予めチェックしておく事をおすすめします。

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2015年04月11日

がんの知識|がんの手術の知識(4)


病室に戻ったら

がんの部位や広がり方、手術の方法や医師の熟練度によって、患者さんの術後の経過は大きく異なる場合があります。ここでは、あくまでも標準的な術後を前提にお話し致します。

病室に戻った後は経過観察が始まります。創の状態や体温、血圧などを看ていきます。必要であれば採血やレントゲン検査も行われるでしょう。

自由に動けるのなら、なるべく早い段階から歩く事を心掛けて下さい。人間の筋肉は瞬く間に落ちてしまいます。二週間も寝たきりでいたなら、まともに歩けなくなってしまうかも知れません。体を動かす事で血流も上がり、全身の機能の回復も早まるので、医師や看護師の指導の範囲内で進んで挑戦して行きましょう。

食事を摂る事も重要です。もちろん最初は水分の補給から始めて、重湯やおかゆなどへステップアップして行きます。消化器系や咽頭部、食道などを切除した場合には、簡単に食事を摂る事はできません。それでも、最終的に目指すべきは同じなのです。

自身で食事を摂る事が困難な場合、高カロリーな点滴をしたり、小腸の中に栄養を注入したりします。また胃瘻(いろう)と言って、流動食を胃へ直接流し込む方法もあります。

創口からの滲出液が止まり、ドレーンが外されるまでに一週間かかる事もあります。その後に創の状態を診ながら抜糸が行われるでしょう。手術の部位によっては縫合されず、保護カバーだけで被われている事もあります。当然この場合は、抜糸が行われる事もありません。

これも個人差のあるお話ですが、入浴も暫くは出来ません。清潔さを保つ為に、出来る限り体を拭くように心がけましょう。特に敏感肌やアレルギーのある方は、入院前に準備を整えておくべきでしょう。最近は安価で使いやすい入浴の代用品も多く販売されています。どう言う状態が予想されるのか。入院前に担当医などから確認しておくと安心です。

現在、地域を代表するような「がん拠点病院」は、主に手術を中心に受け持っています。その他には、個人の診療所(クリニック)では導入が難しい高価な医療機器を使った検査や、大掛かりな機材による高額な治療を行うと言う訳です。

もう十分にご存知かも知れませんが、手術後はどんどん退院させられてしまいます。

手術の内容や経過にもよりますが、何カ月も入院する事はまず有り得ません。今や国民の2人に1人ががんになる時代なのです。そうしなければ追い付かないのが現状でした。

さらに言えば、病院が受け取る診療報酬の仕組みもそれを助長しています。効率良く稼ぐには、次々に新たな患者を受け入れて行くしかないのです。ベッドの回転率を上げる事が医師たちの間で日常的に話し合われていました。師長クラスの看護師たちも、「こうした方が診療報酬が高い。」「あれを患者に勧めた方が点数が上がる。」などと得意げに話したりもしています。病院が儲けるための知識を徹底的に叩き込まれているのでした。それが、大病院に勤務する看護師たちへの人事考課の基準の一つになっているからです。

タグ:手術後 病室
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2015年04月04日

がんの知識|がんの手術の知識(3)


「手術後」

手術後は、まだ朦朧とした状態で点滴や酸素マスクなどを付けたまま集中治療室に運ばれます。通常は、ここで意識の回復や血圧、呼吸などを観察しながら一夜を明かします。

次第に麻酔が切れて来ると創(きず)が痛んだり、ずっと同じ姿勢で動けない為に手足がしびれて来る事もあるでしょう。そう言った場合は我慢せず看護師に申し出て下さい。医師の指示の下で、痛み止めの投与や適切な処置を行ってくれる筈です。

又、手術後に合併症がおこる事もあります。息苦しく感じたり急な発熱などは要注意です。感染症の恐れもありますので、異常を感じたら直ぐ看護師に訴えましょう。

●感染症

長時間に及ぶ手術では、開口部から細菌が侵入してしまう場合があります。特に手術前に抗がん剤の投与を受けている患者さんは、免疫力が極端に落ちているので危険です。風邪の症状や悪寒などを感じたら看護師に訴えて、検査の後に医師から抗生物質などの投薬を受けて下さい。

●無気肺

麻酔の影響や長時間体が固定されていた為に、痰(たん)などが喉の奥(気管支など空気の通り道)を塞いでしまう事があります。息苦しさを感じたら直ぐに訴えましょう。
※手術前に「痰の吐き方」を覚えておくのはこの為です。

●出血

以前に述べましたが、殆どメスを握った事のない医師が数多く存在しています。熟練した者であれば創口から大量に出血する事はまずありません。縫合跡も綺麗に接着しているでしょう。万が一、創口からどんどん血液が滲み出て来るようなら、直ぐ看護師に訴えて医師の処置を求めて下さい。危険な状態に陥っているかも知れません。

●肺炎

手術の創は傷です。当然、体はそれを治そうとして全力を傾け、他の部分の免疫力が落ちてしまいます。肺炎にかかる可能性も十分にあるので注意が肝要です。

排尿は、膀胱まで管が差し込まれているので、トイレに起き上がる必要はありません。集中治療室を出る際には外され、ドレーンの袋も携帯できるサイズに変えられるでしょう。医師や看護師から歩くように求められたら、無理のない範囲で少しずつ挑戦してみて下さい。痛みがある場合には我慢すべきではありません。その都度、適切な処置やアドバイスを受ける様にして下さい。

posted by 風と空 at 09:47| Comment(0) | TrackBack(0) | がんの手術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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