2015年03月07日

がんの知識|がんの病期(1)

がんの状態を知る

ひと言で「がん」と言っても、私たち一人一人の顔形が異なるように、がんにも様々な性質の違いがあります。医療者が良く口にするのは…。

「初発か再発か。」

「メタ(転移)はあるか。」

「末期か。」

この他にも、患者さんが80歳を超えていれば、手術はしないと言う暗黙の前提があります。

どんな部位のがんでどこまで広がっているのか。どんな治療法が効果的で、患者さんの体の負担が少なくて済むのか。先に行った各種の検査の結果を元に、無難な標準治療の範囲内でその方針を決めて行きます。

がんの病期を知る

今後の治療の予測を受け入れる為に、まずご自身の病期を知る事から始めましょう。

●がん治療の見通し

最初に医師の示すがんの選択肢は、大きく分けて二つあります。治療をするか、しないかです。前述の平均寿命に近い高齢者の場合など、手術や抗がん剤に耐え得る体力がない、既に全身に手にしていてがん細胞を取り切る事が不可能、などの場合は、がんと闘う治療は行わずに緩和ケアを勧められます。又、若年性(児童~40代位)の場合は非常に進行が速いので、手術を含めた治療を集中的に短期間で行う必要があります。

●がん治療の効果と実績

次に医師が示すのは治療法です。早期のがんであれば切除が第一の選択肢となるでしょう。同じがん種の患者さんに行われた過去の実績を挙げて、その治療法が最善である事を説明される筈です。しかし、例えば乳がんなどの場合、治療その物を受け入れる前に、女性としての尊厳や将来像など、簡単には乗り越えられない壁に立ち向かわなければなりません。若い男性医師は総じて未熟で、患者さんの想いに対する配慮が欠けています。ここは非常に大事な部分ですので、医師の言うがままに手術の予約をしてしまうのではなくて、一旦は帰宅して、ご家族や信頼のおける知人などにも意見を求めるべきかも知れません。

繰り返しになりますが、経験の浅い若い医師は切りたがります。本当にそれが唯一無二の最善の治療法なのか。術後の経緯、抗がん剤や放射線治療の効果、薬のふき作用、機能障害が残るか、など。がんの素人である患者さんは、後悔のない治療を慎重に選んで欲しいと思います。

●他の選択肢を模索する

担当医の説明に納得がいかなかったり、他の医師の意見も聞いてみたい場合は、治療法に対するセカンドオピニオン(既述済)を求める事ができます。又、病院が主催する患者会(既述済)やピアサポーター(既述済)などから、あなたと同じがん種の治療体験者(がんサバイバー)のアドバイスを得る事も出来ます。インターネットのブログなどの体験談でも、充分に参考となる良質な記事もあるでしょう。

しかし、一つだけ頭の隅においておかなければなりません。

それは医療の世界が本当に「日進月歩」であると言う事です。日々、新たな治療法や薬が開発され、わずか数年でアプローチや効果が激変している事もあるのです。より多くの確かな情報は、がんの治療を受け入れて行く上での最も重要な要素である事に違いありません。未熟な担当医や看護師の態度が不遜であっても、彼らがその情報に近い場所にいることも、残念ながら認めざるを得ない事実と考えて下さい。

ラベル:病期 選択肢
posted by 風と空 at 10:51| Comment(0) | TrackBack(0) | がんの治療 | 更新情報をチェックする

2015年03月01日

がんの知識|がんを知る(6)

●内視鏡検査

あえて申し上げるまでもない事ですが、人間の体は口から肛門までが長い一本の道でつながっています。その周りに様々な臓器があって、食べ物の消化や吸収を助け、取り込んだ栄養分を血管で全身の細胞へと送り込んでいるのです。

内視鏡検査は超小型(CCD)カメラと光源の付いた細長い管(グラスファイバー)をその中に入れて、のど、食道、胃、十二指腸、大腸、気管、膀胱などを直接観察する方法です。又、生検のために病変の一部を切り取ったり、ポリープの切除手術を行ったりもします。

大腸などは肛門から挿入し、上部の消化器管には口や鼻(極細の物)から挿入します。もちろん、鼻孔には予め麻酔の噴霧が施され、口中にも同様に麻酔を呑み込むので安心して下さい。

但し、いずれの場合も当日の食事は厳禁で、最低限の水分補給以外は「お茶」や「喫煙」も控えて下さい。前日も夕食は5時ごろに済ませ、9時以降は何も口にしないように求められるでしょう。ただ、他の病気等で常用している薬がある患者さんは、事前に医師に申し出て指示を得ておかなければなりません。

これらはつまり、観察する消化器の中から「便」を排除する目的で、大腸の検査においては下剤を飲んで更に排泄を促されたりします。主治医によっては、病院での検査前に2ℓの水を飲むよう求められる事もあります。

診察はベッドに寝た状態で行われますが、胃や大腸の緊張を緩める薬を注射される場合もあります。時間の目安としては口から挿入されたのであれば、5~15分ですが、肛門からの場合は数十分を要すると心得ておいて下さい。

●病理検査と病理診断

がんが強く疑われる細胞を採取して、病理医が細かな検査を行います。消化器系のように内視鏡で組織の一部を切除したり、乳房には細い管を突き刺して取り出します。子宮や膀胱などは、へら状の器具で表面の粘液を削いで集めます。又、たんや尿から細胞を採取する場合もあります。(細胞検査)

がんであるか否かだけでなく、それがどんな性質(顔つき)のがんであるかも詳しく調べます。(組織検査)

手術の最中に「がん」である事を確定する為に行われる検査を、術中迅速病理診断と呼んでいます。
posted by 風と空 at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | がんを知る | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

がんの知識|がんを知る(5)


●MRI(磁気共鳴撮影)

磁場を利用して体の内部を撮影します。磁場とは磁石や電流の周りに存在する力の及ぶ範囲の事で、N極S極のある棒磁石の上に白い紙を置いて、砂鉄を巻いて出来た模様を見た記憶があるのではないでしょうか。CTとは違い被ばくの心配が無い為に、何度も繰り返して行う検査や、妊婦や小さなお子さんの検査にも安心です。但し、心臓にペースメーカーを埋め込んでいる患者さんなどは、.予め医師に申し出て相談しなけれなりません。

強い磁場を発生させる為に、検査中はかなり大きな音が鳴ります。勿論、それ自体は人体に影響を及ぼすものではありませんが、寝台に乗ったまま狭い筒状の空間に20分以上も閉じ込められるので、鳴り続ける音も含めてかなりのストレスを感じる事は間違いありません。

こちらも造影剤を使用する場合がありますので、アレルギーのある方は申し出ておいて下さい。

MRIも断面映像を撮影する事に変りはありませんが、CTとは違って様々な角度からの撮影が可能なのです。

骨の断面や脊髄、骨盤の中など、CTでは撮影が難しい部分も調べる事が可能です。但し、肺の内側などの撮影には不向きなようです。

●PET(陽電子放出撮影)

「ペット」と呼ばれています。CTやMRIが体の中の「形」を撮影するのに対し、PETは体の中の「動き」を陽電子(ポジトロン)を利用して撮影します。腫瘍の組織の糖の代謝を調べる事で、がんの診断に使われて来ました。こちらも微量の被ばくがあります。

がん細胞に吸収されやすい薬(FDG)に弱い放射性物質を付着させ、薬剤を取り込んだがんの広がりや活動の様子を調べます。

FDGはブドウ糖に似ている為にがん細胞が吸収するのですが、必ずしも悪性の腫瘍細胞だけが吸収するとは限らず、他の検査と組み合わせる事で精度を高めています。FDGを注射後に寝台に乗って、やはり筒状の機械に入ります。放射能は時間の経過と共に弱まり、尿からも放出されますので、人体への影響もそれほど心配はありません。

posted by 風と空 at 09:03| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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